第32回日本環境感染学会総会・学術集会にて ポビドンヨード(PVP-I)の有効性に関する最新データが発表されました

報道関係各位

2017年2月24〜25日に神戸で開催された第32回日本環境感染学会総会・学術集会にて、ドイツのウイルス学の第一人者、PD Dr. Maren Eggers(マレン・エッガース)氏が、「ポビドンヨード(PVP-I)を用いた口腔内の消毒はウイルスや細菌による、気道および口腔感染症を予防 できるか」と題した研究を発表し*1、殺ウイルスが困難とされるウイルスへの対策として、また公衆衛生の分野において、PVP-Iが有効であることを示しました。本研究では、季節性感染症の原因であるインフルエンザウイルスや、感染性胃腸炎の原因となるロタウイルス、さらにMERS (中東呼吸器症候群)やSARS (重症急性呼吸器症候群)など感染症の原因となるウイルスに対し効果があることが示され、病院内の感染症の原因となる肺炎桿菌、肺炎球菌に対しても殺菌効果があることが明らかにされました。

エッガース氏は、インフルエンザウイルスをはじめとする気道微生物による院内感染は拡大しやすく制御が困難とし*2、MERSやSARSなどの新興・再興ウイルスは病院内での感染拡大のみならず公衆衛生に深刻な影響をもたらすとしています。一方、肺炎桿菌や肺炎球菌などの薬剤耐性株の発生により、感染症の専門家は口腔および呼吸器からの感染管理において、新たな課題に直面しているといいます*3。また、世界保健機関(WHO)の薬剤耐性に関するグローバルアクションプラン*4では、抗生物質の使用を制限できるよう衛生状態を保つことが感染症を減らすために重要であると伝えています。

本研究でエッガース氏は、PVP-I 7%液*5のロタ、インフルエンザA型(H1N1)、MERS、SARSのウイルス、肺炎桿菌、および肺炎球菌に対する有効性を、欧州標準化委員会等が発行する欧州規格 EN14476(ウイルス)およびEN13727(菌)に基づき、試験管内実験を実施しました。その結果、PVP-I濃度0.23%液(PVP-I 7%液を30倍に希釈*6)はロタ、インフルエンザ、MERS、SARSウイルスに対し、室温で15秒の曝露時間で99.99%を超える殺ウイルス作用を示したことを明らかにしました。また、肺炎桿菌に対しては室温で15秒後に、肺炎球菌に対しては60秒後にそれぞれ99.999%を超える殺菌作用を示したことも報告しています。

また、同学会発表のために来日したエッガース氏は2月22日(水)、東京にてムンディファーマ主催のメディア・ラウンドテーブル「最新データに基づく最適な殺菌消毒薬の選択」にて講演しました。手洗いやうがいなどの基本的な感染対策の実践に加え、ご自身のものも含む様々な試験データを紹介しながら、ウイルスに対しては99.99%、菌に対しては99.999%を超える殺ウイルス・殺菌効果のある消毒剤を適切に選択することも重要な感染予防措置の一つであると強調しました。倫理的な理由から、感染症の原因となるウイルスや菌に対する消毒剤の効果を人体をつかって試験することは難しいため、試験管内実験の結果は適切な消毒剤選択のための 指標の一つとなると考えられています。

日本では一般的な予防対策であるうがいについてエッガース氏は「ヨーロッパでは日本ほど実践されていないが、PVP-Iなどの消毒剤を用いたうがいは、感染リスクが高いときには有効と考えられる」と述べました。当社は、感染対策に関する研究を継続的にサポートしており、また、日本における感染対策の啓発活動の一環として当イベントを開催しました。

*1: Eggers M et al. Can Oral Disinfection With Povidone Iodine Prevent Respiratory and Oral Tract Infections Caused by Viral and Bacterial Pathogens? Abstract & Poster, JSIPC, Kobe 2017.
*2: Gies S. et al. J Clin Microbiol 2013; 51:155-16
*3: CDC. Antibiotic Resistance Threats in the United States, 2013.
*4: WHO. Antimicrobial Resistance: http://www.who.int/antimicrobial-resistance/global-action-plan/infection-prevention-control/en/
*5: イソジン®ガーグル7%
*6: イソジン®ガーグル7%の用法用量に基づく

PD Dr. Maren Eggers (マレン・エッガース) プロフィール
Laboratory Enders(ドイツ、シュトゥットガルト)。インフルエンザCMVなどのウイルス診断、ウイルス消毒及び衛生を専門。ドイツのハイデルベルク大学で臨床ウイルス学を教えるほか、実験ウイルス学および消毒薬試験部の部長。ドイツ ウイルス感染症制御協会(DVV)の副会長、ドイツ応用衛生学協会(VAdH)会長を務め、欧州委員会の殺菌消毒剤標準化のための殺ウィルスタスクグループ(WG1/TC216)のグループ長等、欧州における殺菌消毒剤の標準化作業をけん引。

PVP-Iについて
PVP-Iは感染症の原因となる様々なウイルスおよび薬剤耐性株を含む細菌、真菌などに対し殺ウイルス・殺菌効果があります。また、PVP-I はMundipharmaが所有するイソジン®(海外では主にベタダイン®)製品の有効成分です。1950年代にイソジン®が開発された当初は医療現場で普及し、いまでは世界各国で使用される殺菌消毒剤の世界的ブランドへと成長しました。また1969年、月から帰還したアポロ11号の殺菌消毒にNASAにより選ばれたのもイソジン®です。
日本では、感染対策の様々なニーズに対応するため、喉および口腔内、傷、手指等の殺菌消毒剤をイソジン®ブランドから提供しております。

ムンディファーマ株式会社について
世界120カ国に展開するMundipharmaの日本の独立関連法人として、1991年に設立。日本では「疼痛」「がん」「コンシューマーヘルスケア」の3つの事業を柱に、患者さまのQOL(生活の質)の向上に貢献しています。 当社についてはホームページをご覧ください。http://mundipharma.co.jp/

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